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見えない人の見える範囲は

執筆者の写真: Akihiro ArakawaAkihiro Arakawa

私は全盲ですから全く目が見えません。

しかし、歩いたり、物を取ったり捜し物を見つけることができたり、いろいろなことができます。

私にとって、目の代わりをするのが手であり、足であり、空気や音、時々匂いです。

そして、白杖を持てば、白杖の長さ分見える距離が広がります。

道路を歩いたりするときは、勝手に自分の地図を頭の中に描き、見えているつもりで歩きます。

この見えているつもりというのがくせ者で、自分の頭の地図と実際の状況にギャップがあると大きなトラブルを起こします。

二十歳前後の頃、大阪の日本ライトハウスで歩行訓練を受けていました。

私は先生の言われた通り、電車からホームに降り、そのまま階段へ向かい降りようとするといきなり

「おまえ、今から自殺するのか?」

と先生の声。

私の頭の地図は階段でした。でも実際の目の前は線路でした。

また、超音波眼鏡の訓練をしていた頃の話。

超音波眼鏡は物体が5メートルの所から音で識別できます。

右側にあるのか、左側にあるのかどのような材質なのか様々な情報を音で知る事ができます。

そして、白杖で歩くのに慣れている私は、物体があるとそこから逃げようとしてしまいます。

当たり前です。そのまま歩けばぶつかるのですから。

しかし、これをホームの上で行うとどうなるか・・・。

自然と何もない線路に導かれ・・・。

ホーム転落になるわけです。

超音波眼鏡では物体から逃げずに、左の方を物がすり抜けるように歩きなさいと何度も指導されました。

さて、ここからが今日の本題。

あるホールで、香織ちゃんと店を探して歩いていました。

香織ちゃんは広告などを見るため止まっていましたが、カラちゃんはそのまま歩き続け、いきなり私は顔をぶつけました。

何の予告もなく顔をぶつけたので、痛いのと驚いたのと頭にきたのと・・・。

それは飲食店のシャッターで私の顔の前まで降りており、下は大きく通れるように開いていたためです。

店にクレームを付けに行こうと思ったのですが、ちょうど電話がかかってきたのでお客様と話をしました。

そんなことをしていたら、なんだかクレームを付けに行くのが馬鹿らしくなり、結局何もしませんでした。

でも、これはとても危ない事なので、クレームではなく、ちゃんとお店にいう必要があるかもしれません。

香織ちゃんに言わせると、町中では居酒屋の様に夕方から営業するお店で時々見かける風景とのこと。

結論、盲導犬と歩いて居る時は私の見え方はカラちゃんに依存しており、すべてカラちゃん任せになっていたのでした。

杖だともしかして気配で感じてぶつかっても、まともには当たらなかったかもしれません。


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